メールを無視したら待ち伏せ!? 法律上“ストーカー行為”になるのはどこからなの?

【相談者:20代女性】
先日、友人と共に合コンに参加したのですが、気の合う男性がいなかったこともあり、実りある結果ではありませんでした。
とりあえず、男性陣とは連絡先を交換し、その後私の元に連絡が来ることはなかったのですが……。

友人の元に、参加した男性から、私のことに関するメールが大量に送られてくるそうです。
友人は気味が悪くなり、そのメールを無視したところ、今度は友人の大学の食堂に待ち伏せて、私に関することを質問してきたのです。
これって、ストーカー行為だと思うのですが、この場合は誰に対するストーカー行為になるのでしょうか?

a 友人に対するストーカー行為となります。

ご相談ありがとうございます。
アディーレ法律事務所弁護士の正木裕美です。
好意を持たれたのだとしても、ここまでされてしまうと怖いですよね。
恋愛の芽を自分で摘んでしまわないよう常識と自制心は大切ですね。

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そもそもストーカー行為ってどんなものなの?

さて、ストーカーと聞いて、皆さんはどのようなものをイメージしますか?
好ましく思わない相手からしつこい電話やメールをされたときにも「ストーカーだね」と言ったりしますよね。

しかし、皆さんが日常生活で使う「ストーカー」と、法律上の「ストーカー」では、意味が違うかもしれません。

ストーカー行為等の規制等に関する法律(いわゆる「ストーカー規制法」)という法律があり、「つきまとい等」を同じ人に繰り返し行うことをストーカー行為と定めています。

この「つきまとい等」とは、簡単にいうと、ある人に対する恋愛感情などの好意や、好意が満たされなかったことに対する恨みなどの感情を満足させる目的です。
その相手や家族等の密接な関係を有する人に対して行われるものになります。

1.体の安全や住居の平穏、名誉が害されたり、行動の自由を害される不安を覚えさせるような方法による
(1) つきまとい、待ち伏せ、立ちふさがり、自宅や会社等の付近の見張り・押し掛け
(2) 監視していると思わせる様な言動
(3) 面会・交際等の要求
(4) 著しく粗野・乱暴な言動

2.無言電話、拒否されたのに連続電話・連続FAX・連続メール
3.汚物等著しく不快・嫌悪を感じさせるようなモノの送付等
4.名誉を害する行為
5.性的羞恥心を害する行為

をすることだと限定しています。
そのため、恋愛感情と全く関係がない単なる嫌がらせや、LINE、Twitter、Facebook等SNSへの連続投稿だけだと該当しないことになります。

友人?相談者?この場合は誰に対するストーカー行為になるの?

ここでポイントとなるのは、友人との関係です。

前述のとおり、相談者さんに対する好意の感情や好意が満たされなかった怨恨の感情を満たすために行った行為であれば、相談者さんと密接な関係を有する者に対するつきまとい等もストーカー行為となりえるからです。
友人は、友人に対するストーカー行為ということで、被害者になります。(実は友人に対して好意を持っていたとすれば、友人に対するストーカー行為になるのはもちろんです。)

相談者に対しても、間接的なストーカー行為をしたと認められるの?

相談者の方に対しては、法律で定める「つきまとい等」がされていないので、相談者の方に対するストーカー行為とはいえません。
実際に「つきまとい等」をされた被害者は、警察に「つきまとい等」をした人に対して警告を発するよう求めることができるとされています。

法律成立前の国会審議でも、被害者が不安を覚えているかの確認もあり、性質上基本的には被害者本人によって行われるものとの答弁もされております。
実際に「つきまとい等」をされた人しか申し出ることができないというのが実情のようです。
そのため、相談者さんが警告の申出をすることは困難な可能性が高いでしょう。

ストーカー行為をしたらどうなるの?

ストーカー行為には、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金という罰則が科されますが、それだけとは限りません。
ストーカー行為に対しては、被害者の申出に応じて、さらにストーカー行為をするおそれがあるとされると警察から警告が発せられます。
警告に従わないとさらに、公安委員会から禁止命令を出されることもあります。

この禁止命令に違反だけで50万円以下の罰金です。
禁止命令に違反してストーカー行為をすると、さらに重い1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられることがあります。

ストーカー行為の内容によっては、脅迫罪、強要罪など様な犯罪に該当することもあり、さらに重い刑罰が科されることもあります。


ストーカーには様々な原因があるとはいえ、誰にでも何かのきっかけで被害者・加害者やその関係者になる可能性はあると思います。
ストーカー規制法は、数々の痛ましい事件を経て改正されてきましたが、時代に即した柔軟な改正や対応が求められていますが、法律改正は簡単なものではありません。
何かあったらまずは誰でもいいので、すぐに周りの人や専門家、警察などに相談しましょう。

一人で抱え込んだり、一人で解決しようと自分を追い込まず、外部の力を借りて解決するのも大切です。

●ライター/正木裕美(弁護士)

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