勝手に元カレの“連帯保証人”にさせられてた!? 返済義務はあるの?

【相談者:20代女性】
以前が付き合っていた男がロクでもない人でした。
ギャンブルが趣味で、負けが越すと、いつも2~3万円ほどお金を借りに来て、私が貸さないと暴力を振るうような、本当にどうしようもない人でした。

ひと悶着あり、なんとか彼と別れることができたのですが、先日、私の元に聞き覚えのない消費者金融から電話がかかってきて、元彼さんの連帯保証人になっているので、代わりに借金を返済してください、と言われたのです。

恐らく、元彼が勝手に私を連帯保証人として契約書に名前を書いたのだと思うのですが、連帯保証人をやめることってできるのでしょうか?

a勝手に連帯保証人にされた場合は、責任は負わなくてよい

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の篠田恵里香です。
散々お金をせびられ、しかも勝手に連帯保証人にされたとは、とんでもない話ですね。

結論として、連帯保証人としての責任は負わなくて済みますので安心してください。

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そもそも連帯保証人とは?やめることは出来る?

保証人というのは、お金を借りた本人に代わって、お金を返すことを保証する人のこと。
通常は、連帯保証人となることが多いので、通常の保証人と違って、責任は相当重くなります。

通常の保証人であれば、「先に本人に請求してよ」とか「本人がお金を持ってるからそちらから回収してよ」といった反論ができますが、連帯保証人の場合はこういった反論もできないことになります。
いわば、連帯保証人というのは、貸した貸主との関係でいえば、ほぼ借りた本人と同様の責任を負うということになるわけです。

ですので、連帯保証人になった以上は「やっぱり嫌だからやめたい」という言い分は聞いてもらえないのが通常です。

「他に十分な資力を持つ人間が連帯保証人になってくれた」
「価値のある不動産を担保として差し入れた」

といったような事情がない限り、連帯保証人をやめることは通常できません。

ただ、連帯保証人になるためには、保証人となる人本人またはその代理人が、「連帯保証します」と約束をして書面を作成しなければなりません。
今回のように、知らぬ間に勝手に保証人にされていたということであれば、ご相談者本人が書面作成に携わっていないので、そのような連帯保証契約は無効となります。

このように、勝手に保証人にされていたようなケースであれば、連帯保証人としての責任は負わなくていいことになります。

勝手に連帯保証人にさせられた相手を法律で罰することはできるの?

知らぬ間に勝手に保証人になっていたということは、借主である元彼が、「勝手に連帯保証人欄にあなたの名前を署名押印した」とか「勝手にあなた名義の委任状を作成した」ということが予想されます。

このような行為は、本人でないにもかかわらず、本人にしか作成できないはずの書面を勝手に偽造したということで、有印私文書偽造罪が成立します。

しかも、その書面を実際に貸主に差し出している点については、偽造有印私文書行使罪も成立することになります。

さらには、貸主に対して「正当な連帯保証人がいるかのように偽ってお金を借りている」ということになるので、貸主に対する詐欺罪が成立します。仮に、「借りた当初はしっかり返済するつもりがあった」とか、実際にその後返済したということであっても、連帯保証人がいると偽ってお金を借りたその時点で詐欺罪は成立することになるでしょう。

やめる際に注意すべきことってあるの?

勝手に連帯保証人にされてしまったので「保証人をやめたい」と主張しても、貸主が「はい。そうですか。」と簡単に応じてくれることは期待できません。

この場合、まずは、貸主に対し、連帯保証契約を示す書面・資料を送付してもらうよう依頼しましょう。
その書面を確認すれば、保証人欄の署名押印が「自分のものではない」ということで、署名の偽造を主張することが可能となるでしょう。

相当手の込んだ悪質な方法で、あなたの筆跡をまねして書き写しているというようなケースは、署名押印欄を見ても「自分の筆跡と酷似している」ということがありえます。

この場合、相手の判断によっては裁判となりますが、書面の筆跡の争点が大きな争点になるほか、証人尋問で「連帯保証をする理由も関係性もない」「貸主に遭ったことも書面を作成したこともない」といった主張をしていくことになるでしょう。
実際に保証人になっていないのであれば基本的にはしっかりその点を主張し裁判所にもそのような心証を抱いてもらえると思われます。

なお、連帯保証人になった覚えがないのであれば、どんなに請求をされても「支払います」と言ってはいけませんし、1円も支払ってはいけません。
仮に、そのような行動をとってしまうと、「追認」といって、勝手にされた連帯保証契約を「有効なものとしていいです」と認めてしまうことになるからです。

もちろん保証人として貸主に返済をした場合、借りた借主本人に対しては、「代わりに返済した分を払ってよと主張することができますが(これを「求償(きゅうしょう)」といいます。)、そんな元彼ですから、任意に払ってくれることは期待できませんね。

このようなケースは「連帯保証人にはなっていないので払いません」というスタンスを貫くことが大事といえるでしょう。

●ライター/篠田恵里香(弁護士)

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