泣き寝入りしたくない! 彼の職場へ借金返済の催促に行くのは違法なのか

【30代女性からのご相談】
前に付き合っていた彼に、けっこうな額のお金を貸していました。

別れる時、毎月いくらずつ返済する、という約束をしてその証拠もあるのですが、全く振り込んでくれません。

メールをしたのですが、おそらく拒否をされているようで連絡がつきません。

このままではらちが明かないので、彼が経営している飲食店に直接行き催促したら、「営業妨害だ」と強い口調で言われてしまいました。

とは言っても連絡も取れず、彼の住所も知らないので、私はお店に行くしか彼と連絡を取る手段がありません。

彼のお店に催促に行くのは、法律的に問題はあるのでしょうか?

a 執拗に繰り返し大声で催促するなどすると、威力業務妨害になる可能性も

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の岩沙です。

約束のお金を返してくれない元彼。許せないお気持ちもわかります。

交際中のお金の貸し借りは、別れてから問題になることが多いのが実情です。

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(1)仕事中の元彼に返済の督促をすることは違法?

今回のご相談では、元彼の働くお店に行って直接催促したことを「営業妨害だ」と言われたそうですが、果たしてこの行為は営業妨害にあたるのでしょうか?

営業妨害は法律上「威力業務妨害」と呼ばれますが、催促の仕方が業務の遂行を妨げるような場合には、威力業務妨害に当たる可能性があります。

例えば、大きな声で「金を返せ」と叫び、お客さんが入りづらくなったり従業員が仕事をしづらくなったりするようであれば、これに当たる可能性があります。

さらに、刑法上の業務妨害に当たらなくても、執拗に催促することで彼の仕事の邪魔をしたということになれば、後で損害賠償を支払わなければならなくなるかもしれません。

しかし職場で催促をするというのは、それが仕方の無い場合であれば不当な行為とみなされないこともあります。

今回の場合は、連絡を一方的に拒否され、住所も知らされていないということですから、不当な行為とみなされない可能性が高いでしょう。

ただし、執拗に繰り返しお店へ行き、大声で催促をしてお客さんや従業員に迷惑をかけたりすると、「威力業務妨害」となる恐れもあります。

(2)お客さんのいる前で催促すると名誉棄損?

名誉毀損罪とは、「不特定または多数人が認識できる状況下で、人の社会的評価を低下させる具体的事実を告げて、人の社会的評価を低下させる危険を生じさせること」です。

一般的に「借金を踏み倒している」という事実は、社会的評価を低下させると思われますので、これを言いふらすことは名誉棄損罪にあたると言えるでしょう。

仮に、本人にしか聞こえないように言ったのであれば、名誉毀損罪は成立しません。

一方、ご相談のように元彼の働いているお店で、営業中にそのようなことを言えば、他の誰かに聞こえてしまいますので、名誉棄損罪が成立する可能性があります。

貸したお金を返せというのは当然のことなんですが、言い方や場所には注意が必要ですね。

(3)入店を拒否された場合、従わなければならない?

店の責任者である元彼に「入店拒否」された場合、従わなければなりません。

相手の意思に反して「正当な理由無く」退去しなかったり侵入したりした場合に、「住居等侵入罪」「不法退去罪」が成立してしまうからです。

お金を催促する必要があることは、残念ながら正当な理由にはなりません。

(4)お金を返してもらうには?

それでは、元彼にお金を返してもらうために何が出来るのでしょうか。

今後の手段としては、内容証明を送って請求したり、支払督促の手続をとったりということが考えられます。

あるいは、訴訟を起こすということも考えられるでしょう。

内容証明とは、どのような内容の手紙を送ったかということを郵便局が証明してくれる郵便です。

内容などに強制力はありませんが、相手の心理にプレッシャーを与える効果が期待でき、借金の督促などの場合、まず最初に行うことが多いです。

それでも動きがないとなれば、支払督促をお勧めいたします。

支払督促とは、あなたの申し立てに基づいて、簡易裁判所が相手に金銭の支払いを命じる制度です。

手数料は訴訟の半額ですし、書類のみの審査なので裁判所に行く必要もありません。認められれば判決を得たのと同じ効果があるもので、相手がお金を支払わなかった場合、強制執行を申し立てることも可能になります。

支払督促を申し立てた際、相手から異議申し立てがあった場合には、通常の訴訟に移行することになります。


全ての手続きは、もちろんご自身で行うことも可能ですが、複雑な部分も多くありますので、弁護士などの専門家にご相談することをおすすめします。

今は相談だけなら無料で行えたり、書類作成のお手伝いのみであれば比較的安く依頼できるところもありますよ。

大変な思いされていると思いますが、新しい恋愛を楽しむためにも早く解決することを願っています。

●ライター/岩沙好幸(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)

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