子供時代に原因が? 不倫にハマる心理メカニズムと周囲の人ができること

【相談者:20代女性】
親友から不倫していると打ち明けられました。彼女は独身で、相手は職場の上司で既婚者だそうです。彼女はいま、不倫相手以外の男性は全く目に入らないくらいのめり込んでいます。

ただ、相手の男性からは奥さんと別れて彼女と再婚したいというようなことは言われたことがなく、そんなことは考えていないみたいです。親友は「こわくて確かめられない」と言っていました。

自分でもいけないことをしているという自覚は十分あるみたいですが、気持ちが入り込みすぎてまるで依存症のように身動きが取れないようで、すごく苦しいと泣いていました。

彼女は十分に罪の意識を感じているので、私はいまさら「不倫はダメ」みたいなことを言うこともできず、かといって不倫にのめり込んでしまった彼女の気持ちもわからなくて、ただ話を聞くことしかできませんでした。

彼女の心理はどんな状態なのでしょうか。そして、私には何ができるでしょうか。解説していただけたらと思います。よろしくお願いします。

a 十分に愛情を感じ取れなかった幼少期と関係があるかもしれません。

日常の迷宮脱出ガイド、心理分析士の咲坂好宥です。

お友達の燃えるような恋愛感情と、袋小路のような閉塞感や罪悪感が伝わってきたような気がしました。天国と地獄を交互に味わっていることと思います。

はじめにお伝えしておきたいことがあります。不倫というのは大変デリケートなテーマだけに、たとえば、“不倫は悪”というような価値観そのものについては今回は触れません。

ぼくは心理分析が専門ですので、善悪の判断ではなく、あくまでも心理だけにフォーカスしてお話していきますね。

さて、ご質問は2つありますので、はじめにお友達の心理がどんな状態なのか分析した上で、続いてあなたに何ができるのか考えてみましょう。

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不倫は依存症のように執着を強めていきます

まず、不倫をしている状態にはどんな特徴があるのでしょうか。医学博士であり、対人関係専門のカウンセラーでもあるジャニス・エイブラムズ・スプリング博士は、興味深い分析をされています。

親の不倫を経験した子どもは、大人になって自分も不倫する可能性が高くなるというのです。

不倫のような“盲目の愛”は、相手への思いよりも幼少期に満たされなかった思いと関係があるかもしれないと、博士は著書『もう一度ベストカップルを始めよう(フェニックスシリーズ)』の中で述べています。

つまり、子どものころにたっぷり愛情を感じ取れなかった、ということですね。

博士によると、こうした盲目の愛は、陶酔、恍惚、非現実感、多幸感といった心の変化を起こすので、“あばたもえくぼ”になって客観的に相手をみられなくなります。

このとき、脳内では快感ホルモンが大量に分泌されているのです。こうして、まるで依存症のように不倫にハマっていく、とのことです。

では、切り口を変えて不倫している人の深層心理に目を向けてみましょう。ここで鍵になるのは、“終わりを覚悟している”恋愛だということです。

まあ、中には“離婚→再婚”というように別の展開をしていくこともありますが、多くの場合状況は変わりませんよね。つまり、不倫というのは終わりありきの恋愛ということができるわけです。

それなのになぜ人はそんな苦しい恋愛をするのかというと、1つだけメリットがあるからです。

それは、終わりを覚悟している分だけ、無防備に傷つくことがないということです。突然失恋してしまったとしても、それは覚悟の上。

ある意味では予防線が張られた恋愛なんですね。もちろんこれは、意識的にやっていることではありません。“あくまでも無自覚”だから厄介なわけです。

深層心理のイメージ通りになる可能性が高いのが不倫

ではここで、はじめから失うことを前提にした予防線を張る意味を考えてみましょう。そこに大きく影響しているのはセルフイメージです。

スプリング博士の分析にあった、“幼少期に十分な愛情を感じ取れなかった”人は、セルフイメージが低くなります。

簡単に言うと、このような人は深層心理で「自分には幸せになる価値なんてない」と思い込んでいる可能性があるのかもしれません。

もしその恋愛が終わってしまえば、深層心理のイメージ通りの現実になるわけです。その点、不倫というのは目的を果たすのにとても都合のいい環境といえないでしょうか。

とはいえ、どんなにセルフイメージが低くても愛そのものを強く求めていることに違いはありません。だからこそ、飢餓感に満ちた刹那的ともいえる恋愛にのめり込んでしまうのかもしれません。

恋愛のはじめは相手が既婚者だと知らなかった場合や快楽だけが目的の場合など、もちろんケースバイケースではありますが、多くの場合はこのような深層心理が働いている傾向があるかもしれません。

あなたのお友達の不倫がどのようなパターンなのか詳しくはわかりませんが、ご相談内容を拝見する限り、ここまでお話してきたような傾向があるのではないでしょうか。

お友達の代わりに、あなたが彼女の価値を認めてあげましょう

最後に、あなたには何ができるのかというご質問ですが、アドバイスはやめておいたほうがいいかもしれません。

そこにはどうしてもあなたの価値観が入り込んでしまうからです。このような状況では、あなたの何気ない言葉に含まれる価値観が鋭いナイフにもなりうるんですよね。

あなたはお友達の行動を否定も肯定もする必要はありません。ただただ受け止めてあげて、じっくり話を聞いてあげるのが彼女にとって一番なのではないでしょうか。

先ほどお話しましたように、無自覚かもしれませんが彼女は「自分には幸せになる価値なんてない」と思い込んでいる可能性があります。

だとしたら、あなたが彼女の価値を認めてあげてはいかがでしょう。

自分を受け止めてくれるあなたの存在によって、彼女も自分自身と向き合う勇気を持つことがデキるかもしれません。お友達に笑顔が戻りますように。

【参考文献】
・『もう一度ベストカップルを始めよう(フェニックスシリーズ)』ジャニス・エイブラムズ・スプリング、マイケル・スプリング(著)

●ライター/咲坂好宥(心理分析士)

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