本人は罪に問われない? 未成年の飲酒がバレたら罰則を受けるのは誰か

【相談者:10代女性】
高校時代から付き合っている同い年の彼が、大学の先輩に連れられて居酒屋へ行き、お酒を飲んで酔っ払って私の部屋に帰ってきたことがありました。

私はきつく注意したのですが、「みんな飲んでいたから」とあまり真剣に取り合ってくれません。それ以来、私に黙って居酒屋などに時々行っているようです。

未成年の飲酒は日本の法律で禁止されていると思うのですが、もしも見つかった場合、彼は罰を受けるのでしょうか?

また、居酒屋に連れて行った先輩、お酒を出していた居酒屋などは何か罪になるのでしょうか?

a 未成年に罰則はありませんが、居酒屋や保護者には罰則があります。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の正木裕美です。

大勢の集団で行動をするときに、許されないこととわかっていても周りの雰囲気に流されそうになることはありますよね。

ご相談者の方がきつく彼に注意した行動は正しかったと思います。ダメなことはダメ、彼も周りも流されてはいけませんでしたね。

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飲酒をした本人に罰則はあるの?

さて、おっしゃる通り未成年者の飲酒は『未成年者飲酒禁止法』という法律で禁止されています。

ただ、意外に思われるかもしれませんが、飲酒した未成年者に対する罰則は定められていないんです。そのため、飲酒した未成年自身である彼は罰せられません。

お酒を出した居酒屋の責任は?

では、未成年にお酒を提供した居酒屋などのお店も許されるかというと、そうではありません。

未成年者飲酒禁止法では、お店が20歳未満の者が飲むことを知ってお酒を販売・提供することを禁止し、罰則も設けています。

彼にお酒を提供したお店は、50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

居酒屋に連れて行った先輩は罪にならないの?

さらに、彼は大学の先輩と一緒に飲みに行ったようですね。先輩は当然彼が未成年と知っていたのに飲酒を止めなかったと思われますが、先輩は何も罰則を受けないのでしょうか。

未成年者飲酒禁止法では、未成年者の“保護者”及び“監督代行者”が未成年者の飲酒を止めなかった場合、『科料(1,000円以上10,000円未満のあいだで科される低額の罰金のようなもの)』に処するとされています。

では、“大学の先輩”は保護者ではないですが、法律上『監督代行者』にあたるとされるのでしょうか。

下級審の裁判例によると、この『監督代行者』とは、親権者に準じ、または親権者に代わって一般的、総合的に未成年者を監督すべき立場にある者としています。

簡単にいうと、親代わりに飲酒の抑制を含む日常生活面を監督すべき人で、親に代わって実弟を監督している同居の兄、寄宿舎の舎監、住み込み店員の雇主、内弟子を指導する各種の師匠、地方から出てきた親類や知人等の子を預かって都会の家に同居させ、面倒を見ている者などが監督代行者にあたります。

一方、通常は未成年者の日常的な生活面を監督するとはいえない学習塾や書道塾の教師、趣味のサークルの指導者・先輩、町内会の役員、隣人、住み込みでない雇主は含まないとしています。

そうすると、先輩が未成年者の彼を手元に引き取って面倒を見ている等の特殊な事情があれば別ですが、普通の大学の先輩・後輩の関係にすぎないのなら監督代行者とはいえず、処罰されない可能性が高いと考えられます。

とはいえ、未成年は身体的にも精神的にも未成熟ですし、先輩も彼を止めるべきだったと思います。未成年は飲まない・飲ませない、誰が相手でもダメなものはダメと言えなければいけません。

成人年齢の引き下げも検討されているものの、法律が変わらない以上、20歳未満の未成年にお酒を勧めたり飲酒を黙認したりすることは絶対やめてくださいね。

●ライター/正木裕美(アディーレ法律事務所:愛知県弁護士会所属)

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