5人の女に復讐シタイ! 夫の不倫相手全員に慰謝料請求することは可能か

【相談者:20代女性】
結婚している旦那の浮気が発覚しました。しかも、今わかっているだけで5人以上と関係があるようです。

付き合っているころから浮気癖がひどく、正直、最後に自分のところに帰ってきてくれさえすれば今後も結婚関係を続けていこうと思っています。

しかし、一応彼の妻として、不倫相手の女性たちに制裁を与えたいと思っています。

一度に何人もの相手に慰謝料請求をすることは可能なのでしょうか。

a 可能な場合もありますが、全員に請求するのは難しいです。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の正木裕美です。

ご主人の浮気癖に気苦労が尽きることがなさそうですが、結婚生活を続けるには夫の浮気の根本的な原因を探り、夫に考え方を改めてもらう必要があるようにも思います。

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相手女性が既婚と知っていたかどうかが重要

さて、他の女性と夫の浮気が法律上の不貞行為にあたるときは、慰謝料請求ができます。

法律で慰謝料請求ができる浮気は、『不貞行為』と呼ばれ「配偶者が他の異性と自分の意思で肉体関係を持った場合」と考えられているので、基本的に肉体関係があることが必要です。

そのため、「愛している」とラブラブメールをしていたとか、二人で飲みに行っていただけなら、基本的に不貞行為になりません。

また、遊び慣れたご主人のようですが、女性に慰謝料請求をするときの注意点がもう一つ。相手の女性は、夫が既婚者と知っていたかどうかが重要となります。

たとえば、女性がご主人に独身とウソをつかれていて知らなくても、知らないことに落ち度(過失)があったかどうかを確認しましょう。

浮気相手が夫を独身と信じてもやむを得ないと認められたときは、女性への慰謝料請求は認められなくなってしまいます。

慰謝料は誰から取れるの?

慰謝料額は、交際期間、不貞の期間・回数、離婚になったか、婚姻期間、夫婦仲、落ち度など個別の状況によって大きく変わってきます。

一般には、離婚しないケースだと数十万~200万円程度となることが多いといえます。

それでは5人の女性に200万円×5人で合計1,000万円の請求が認められるの? というと、そうではありません。

そもそも法的責任が発生し慰謝料を請求するのは、不貞行為によって妻の婚姻生活の平穏が害されるからです。

複数の女性と浮気していても妻の害される権利は一つだから、単純な掛け算にはなりません。

まずは、複数の浮気相手がいる場合には、それぞれの不倫が妻の権利を害するものなのか個別の事情に照らして検討が必要でしょう。

ご事情に照らして全員に請求できそうだと考えられる場合、慰謝料は夫と浮気相手の女性たちが共同して妻に支払う義務(不真正連帯債務)を負います。

しかし、夫と別れない場合は、夫に請求せず浮気相手の女性に請求することが多いです。

ちなみに請求は、(1)夫に対してだけ、(2)女性に対してだけ、(3)両方に対して、と3パターンから妻が選ぶことができます。

夫の浮気がひどすぎて悪質な反面、最初の浮気で婚姻生活がうまくいかなくなっていたと判断されて慰謝料が発生しないこともあります。

このように事情によっては全ての女性に請求することが難しい場合もありますので、弁護士に相談するのがいいかと思います。

まずは証拠集めから始めて

仮に全ての女性に責任があり慰謝料請求ができると考えられる場合は、夫と女性たちに肉体関係があることを裏付ける証拠を集め、まずはそれぞれの女性に対して内容証明郵便で慰謝料を払うよう請求するのが一般的です。

関係を認めず払ってくれなかったり、他の女性との浮気が原因だと主張されたりすることもあるでしょう。

そのときは調停や裁判をして、不貞行為の事実や女性が責任を負うべきことを証明する必要があります。


最後に自分のもとに帰ってくれば許すというくらい夫を愛しているのでしょうが、慰謝料請求をするだけで本当に夫は反省するでしょうか。

浮気をされても一緒にいたいのか、浮気を今回限りでやめてほしいのか。浮気が直らないなら離婚する覚悟や準備はあるのでしょうか。

制裁を与えたい気持ちも夫と添い遂げたい気持ちも同じ女性として十分理解できますが、夫の浮気癖は重度です。

慰謝料請求の消滅時効は3年ですので、浮気の証拠を集めつつも、この先の長い人生を見据えて、自分や夫、夫婦関係にちゃんと向き合って話し合うことも大切かと思います。

後悔のない選択をしてくださいね。


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【参考リンク】
『愛とお金と人生の法律相談』島田さくら、正木裕美・監修

●ライター/正木裕美(アディーレ法律事務所:愛知県弁護士会所属)

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