訴えられる? 「子供がデキた」と嘘をついて結婚したら詐欺にあたるか

【相談者:20代男性】
先日、私は彼女から「子どもができちゃったかも」と相談を受け、それならば「結婚しよう」と答えました。その後、お腹が大きく出る前に式をするための準備や、両親・友人へのあいさつなどを済ませ、婚姻届を出しました。すると、婚姻届を出した直後、彼女から「実は……妊娠してなかったみたい!」と告げられました。

正直、子どもがいなかったら彼女とは結婚しませんでした。結婚式の前金や結納金など、既に支払っています。彼女を結婚詐欺で訴えることはできますか?

a 結婚詐欺で訴えることはできない。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の篠田恵里香です。

彼女の嘘が許せない気持ちは分かりますが、結論として『結婚詐欺』で訴えることは難しいでしょう。まず、結婚詐欺というのは、“結婚をする気もないのに、結婚するかのように装って、結婚を前提とした金品を相手から騙し取ること”とされています。被害者からすれば、「結婚すると信じていたからこそお金を渡したのに騙された!」というケースですね。

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そもそも結婚詐欺とは

典型的な例は、次のようなケースでしょう。

知人の紹介や結婚パーティーなどで知り合った相手から「結婚しよう」と言われ、結婚前提でお付き合いをしていたところ、「実は母が病気で……」「借金があって……」などの名目で多額の金品を渡していた。しかし、その後急に連絡が取れなくなって騙されたことに気づく、というケース。

こういった詐欺師は通常は常習犯で、当初から“金目的”で結婚をちらつかせ、騙し取れるだけ騙し取ったあと、連絡不通に陥るわけです。結婚詐欺師は犯罪を意識して動いていますので、その後足がつかないよう、偽名や偽の勤務先を伝えていることが多いです。

結婚前は結婚破棄できる!?

今回のケースでいえば、相手方は「妊娠した」と嘘は言っているものの、結婚する意思もありますし、あなたも結婚に同意し実際に婚姻届も受理されているわけですから、結婚をちらつかせて金品を騙し取られたという評価にはなりません。あくまで、「事実を知っていたら結婚しなかったのに……」という事情だけでは結婚詐欺にはあたりません。

「妊娠した」と嘘をついた事情については、結婚前であれば婚約の不当破棄の理由となるか、結婚後であれば離婚原因になるかといった話になります。たとえば、結婚をする前の婚約の不当破棄ということになれば、慰謝料請求ができますし、結婚式の前金・結納金などの賠償ないし返還請求ができるのが原則です。

結婚後は離婚できない!?

しかし、すでに結婚してしまっていた場合、離婚原因が仮に「子どもができない体だったことを隠していた」ということであれば、これは“夫婦の将来設計”に直接影響しますので、離婚原因の要素となりえるかもしれません。しかし、「妊娠した」と嘘をつかれていた程度であれば、離婚原因と評価することも難しいと思われます。

ただし、このような重大な嘘をつくような人物ですから、その他にも重大な嘘が多数発覚するなど、“婚姻関係を継続するのは難しいような背信行為”があったということであれば、離婚を求めるとともに慰謝料などの請求は可能かもしれません。その場合でも結婚式の前金や結納金の返還は結婚をしてしまっている以上、難しいと思われます。


彼女が真摯に謝ってくれるのであれば、今は許せない気持ちかもしれませんが、今後かわいいお子さんを産むことも可能でしょうし、前向きな話し合いをしてみてはいかがでしょうか。

●ライター/篠田恵里香(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)

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