男性は乗れない? “女性専用車両”が持つイミと対象になる人の見極め方

【相談者:20代女性】
性同一性障害の知り合いがいます。彼女は、体はまだ男性のままで、外での服装も女性のものは身につけていません。先日、電車を待ちながらふと思ったのですが、彼女のような“体と見た目は男性”な女性でも、女性専用車両は使えるのでしょうか?

a 大切なのは、“女性専用車両の目的”に合っているかどうか。

こんにちは、ライターの佐原チハルです。

社会のさまざまな仕組みが、“体が男性(女性)ならば性自認も男性(女性)”という前提で作られているため、性同一性障害などの場合、困ってしまうことも多くありますね。ご質問の“答え”を示すことは難しいのですが、一緒に考えてみたいと思います。

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(1)女性専用車両の目的と対象とは?

東京メトロのホームページによれば、女性専用車両は、その設置により“痴漢”をはじめとした迷惑行為の抑止をはかることで、乗客が安心して電車を利用できるようにするものであるとされています。つまり、基本的に女性客を痴漢被害から守るためのものですので、女性専用車両として使われるのも、痴漢の発生することの多い通勤・通学ラッシュの時間帯なのです。

また、女性客が対象のものではありますが、女性だけではなく、小学生以下の乗客や“体の不自由なお客様とその介護者”は乗車が可能とのことです。なお、一部では“法的には自分たちを追い出す権利はない“として、女性専用車両にあえて乗り込むような迷惑行為を行う男性たちもいます。

(2)女性専用車両は、“女性の体を持った人専用車両”が正しいかも?

女性専用車両は、痴漢被害者になりやすい対象を守るためのものですので、より厳密に言えば“女性の体を持った人”専用車両ということになりそうですね。つまり、男性であっても体が女性の性同一性障害の方は、想定された乗車対象であるということです。

また、女性専用車両は「男性からの被害が怖くて男性と一緒に電車に乗れない女性にとってのシェルター」だという声も多々聞かれます。男性の体を持った人物が乗車すると、それだけで驚異になってしまうこともあるのです。

(3)今後は“男性の体を持った人”のケアも課題になるかも?

痴漢被害にあう“男性(の体を持った人)”も、たしかに存在しています。実は、1999年までは、痴漢の被害者としては“女性(の体を持った人)”しか認められていませんでしたが、都道府県ごとに徐々に『迷惑防止条例』(もしくはそれに準ずる条例)が改定され、2014年4月以降は、ついに全ての都道府県で、“男性(の体を持った人)”も痴漢の被害対象として認められるようになったのです。

今後は“女性の体を持った人”のためだけではなく、より包括的な別の形で、痴漢対策が行われるようになるかもしれません。


現状での女性専用車両は、やはり“女性の体を持った人”が対象のものであるとしか言えない現状があるかと思います。とはいえ、“女性なのに女性専用車両を(実質)利用できない”のが、よいことだとも言えません。痴漢の加害者がいなくなれば女性専用車両も不要になりますから、そうした方向で、知人の方もより暮らしやすい社会になるとよいなと思いました。そうした社会が実現できるよう、対策を考え、声をあげていきましょうね。

【参考リンク】
よくあるご質問(FAQ) | 東京メトロ

●ライター/佐原チハル(自由形恋愛専門家)

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