式場まかせでOK? 結婚式でBGMを流す際に使用料は必要なのか

【相談者:20代女性】
この度、彼氏と結婚し、結婚式を挙げることになりました。しかし、あまりお金をかけたくないので、できるだけ安く抑えたいです。そこで疑問なのですが、最近BGMに使用料を払わなくてはいけないと言われているようですが、実際どうなんですか? さすがに結婚式を無音ですることはできません。

a 支払わなければならない場合がある。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の篠田恵里香です。

結婚式のBGMについては、『著作権』がどうなっているのか疑問に思う方も多いと思います。式場側に“全てお任せ”にする場合ではなく、新郎新婦や知人側で“楽曲のリストを作成する”場合は個別に使用料を払うべき場合もありえますので注意が必要です。

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楽曲は『JASRAC』などで管理されている場合が多く、使用料を払う必要がある

まず、結婚式場でBGMを流す場合、そのBGMは通常著作権で保護されていますので勝手に使ってはいけないのが法律上の原則です。基本的に結婚式で利用したいと思うような楽曲は『JASRAC(日本音楽著作権協会)』が管理していると思われますので、JASRACのケースをもとに考えてみましょう。

BGMを結婚式で流す場合、法的には、(1)楽曲をCDに録音する(複製)(2)CDを会場で流す(演奏)という2つの側面について著作権者の許諾が必要となります。著作物については、“複製”や“演奏”などの各行為について著作権者の同意なく勝手に行えないことになっているからです。したがって、結婚式でのBGM利用には著作権を管理するJASRACやレコード会社の許諾が必要ということになります。

披露宴でBGMをかけることは『私的使用』の範囲内にならない可能性がある

まず、(1)複製についてですが、ぜひ知っておいていただきたいのが『私的使用』の概念です。著作権法30条1項では、『個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること』を目的とするときは、『私的使用のための複製』として著作権者の許諾を得ずに複製できることが認められています。ただ、家庭内で音楽を聴くための複製ではなく、披露宴という大規模な会場で利用する目的となると、やはり私的使用の範囲を超えてしまい著作権者の許諾が必要と考えられています。

許諾をとる方法ですが、たとえば、JASRACと利用許諾契約を締結している“ブライダル演出記録用録音製作事業者”に依頼し、“レコード会社への利用報告を代行する団体”に委託する方式をとれば、両者から“許諾を得た”こととなり、その他の手続きをとる必要はありません。この点は式場に確認するとよいでしょう。

一方、これらの依頼・委託をせず全て自分たちで作成して音楽を流そうとする場合には、個別にJASRACやレコード会社に直接手続きをし、使用料を払わねばなりません。この手続きを踏まずにBGMとして利用すると、原則として著作権侵害となってしまいます。必ずJASRACのHPなどで手続きを確認してください。

事前にしっかり結婚式場と相談を

次に、(2)演奏についてですが、通常は、結婚式場が“著作物の演奏について、JASRACから包括的に許諾を得ている場合”が多いので、式場のアドバイスにしたがって著作物を利用すれば問題ないと言えます。この点も式場に確認するとよいでしょう。仮に包括的に許諾を得ていない場合でも、式場が演奏の主体と言えますので、式場からJASRACに許諾をとってもらうことになります。

その他、BGMの使用の場面以外でも、プロフィールムービーでの楽曲使用や披露宴の記録用ビデオなどの場面でも著作権者の許諾が必要となってきますが、細かくなりますのでここでは割愛します。

披露宴でのBGMの利用は複雑で分かりにくいですし、新郎新婦からすれば、「著作物を利用して利益を得よう」という場面ではないため、曖昧にしがちかもしれません。ただ、許諾なく行ってしまうと著作権侵害になる可能性がありますので、必ず式場と打ち合わせの際、著作権の手続きも確認し、必要な手続きがあればしっかりとるように心がけましょう。

●ライター/篠田恵里香(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)

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