努力のつもりが迷走!? 自己啓発セミナーに通っても婚活が成功しないワケ

【相談者:30代女性】
自分に自信がなくて、婚活がうまくいきません。菊乃さんの本やほかの先生の本も読みました。セミナーに行ってコミュニケーションを勉強していますがまだ成果が出なくて、このまま一生一人だったらどうしようと落ち込んでしまいます。どうしたら自信を持てるのでしょうか? こういうときの、心のあり方を教えてください。

a 自信はセミナーや本の中では身につかない。成功体験があるから自信がつくのだ。

こんにちは。彼氏づくり専門家の菊乃です。

“心のあり方”“自信の持ち方”を教えてくださいということですが、そんなものはコラムで学べません。本を読んで努力しているつもりのようですが、現実逃避の迷走中ですよ。

今回は、努力のつもりが迷走してしまう方の特徴を『ホンマでっか!?TV』や著書『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』で有名な齊藤正明さんにインタビューしました。講演で全国を飛び回っていらっしゃる人気講師の齊藤さんですが、会社員時代は自己啓発セミナーにはまり総額600万円をつぎ込んでしまったご経験もあるそうです。

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セミナー依存になっていく過程

大学を卒業して、特殊な研究職として就職した齊藤さんは上司からパワハラを受けます。「この仕事では転職はできない」と思い込み、パワハラを回避するために“成功者の考えをインストールできる”“頭がよくなる”という触れ込みのテープを150万円で購入しました。当時まだ23歳、5年ローンだったそうです。

そのテープを聞いても成功者になることもなく、上司から、「おまえ、まだ生きてたの?」と言われる日々。ある日、職場の同僚から「いいセミナーがあるから来ない?」と誘われ、1泊2日、7万円のセミナーに参加します。

セミナーには80名ほどの参加者がいたそうです。セミナー内容は5人1組のチームを組み、自信を砕く経験の後に褒めて持ち上げ、大声で叫んだり、仲間同士でハグをしたり、肩を組んで歌を歌ったりというもの。全員が一丸となる一体感に包まれ、とっても楽しかったそうだ。気分も高揚しているので自分の力で何でもできるような万能感を持つ。

セミナーの翌日、パワハラ上司が君臨してみんなが死んだ目をしている職場に齊藤さんが目をキラキラさせて出社すると、周りから浮くのだ。「セミナーで学んだことを実行しよう」と思うのだがうまくいかず、理想との差がストレスになってしまう。

そのセミナーは3段階あり、次の中級コースも用意してあったそうだ。過半数の方が次のコースを申し込んでいたそうで、齊藤さんも中級コースに参加した。セミナーではお互いを否定せず、全肯定してくれる人ばかり。参加している人はみんな向上心があって思いやりの気持ちがあり、明るい真面目な人が多かったそうだ。つまり、“いい人”。

ところが、セミナーの外の社会には自分勝手な人がゴロゴロいる。現実社会は“○○であるべきだ”という理想では動いていない。現実社会で出世して仕事ができる人になるために参加したはずなのに、参加前よりもストレスをためやすく、現実社会がつらくなってくる。こうして、上級コース(数十万円)に申し込んだそうだ。

上級コースの後半には、「あなたの大切な人をこの素晴らしいセミナーに連れてきてください」と言われるのだ。すっかり洗脳されている人は、同僚や家族を初級コースに勧誘するという仕組みになっているらしい。もちろん、いいことをしたと思って誘っている。

そうなると、仕事をするのはセミナーに参加する参加費を稼ぐため、と目的と手段が逆転してしまう。会社で認められなくても、つらいことがあっても、「夜明け前が一番暗い。今は夜明け前だ」とポジティブに解釈してチャンスだと思ってしまうのだ。セミナー仲間たちから他のセミナーにも誘われることも多くなり、“自己投資”“学び”と思ってまた参加する。

会社で浮いていても、“みんなとは違う”という少数派ゆえの優越感と“私たちは人生の秘訣を知っている”という万能感に酔っているので迷走している自覚はない。セミナー依存症はこうしてできあがる。

セミナー依存者とセミナー成功者の違いは

セミナー参加者の中には、実際に成果を上げて出世したり売り上げを上げたりする人も大勢いる。年収数千万円の人とも出会える。現実社会を豊かにするためのツールとして活用できているのならばとても素晴らしいものなのだ。

「自信を持てるようになりたい」という理由でセミナーに参加してもいいのだが、セミナーで自信がつくということはない。学んだことを生かして行動し、成功体験を積むことで自信がついた人は、「セミナーのおかげ」と言うかもしれない。自信は自分で行動してつかんだ成功体験があるから育まれるのだ。

現実社会で収入が増えたなどの成果を上げてないとしたら、セミナー依存症の可能性が高い。現実社会の方が悪い人が多いように感じないだろうか?


私は『マグロ船で学んだ人生哲学 -ボクの生き方を変えた漁師たちとの一問一答集』で初めて齊藤さんを知ったのですが、2013年に出版された『「自己啓発」は私を啓発しない』という書籍がとても印象深く、今回インタビューさせていただきました。

私もたまに、「心のあり方を教えてほしい」というご相談を受けます。自室の写真を見せてもらったら自己啓発本が並ぶ汚部屋。そんな部屋に彼氏を呼べないだろう……。髪の毛はボサボサで服も毛玉やホツレだらけだった。相手をありのまま受け入れてくれるセミナー仲間は、彼女の外見を全く注意しないようだった。

「低所得だからそんなに外見にお金をかけられない」と言いつつ、身につかない“学び”に大枚をはたいているケースがあります。そのお金を美容と服にバランスよく回す方が効果的だと伝えたのだが、“学び=自己投資”“おしゃれ=浪費”というイメージでとらえているようでした。バランスが悪ければ“学び”だって“浪費”なのに。

先々への不安感を払拭するためにセミナーや資格などの学びにすがる人はいますが、現実社会で使えなければ意味はないでしょう。知り合いで有名国立大卒のフリーターがおります。貧乏な弁護士もいるそうです。「学びは本当に私を助けるのか?」と疑ってみませんか?

ちなみに、齊藤さんがセミナー依存症から脱出したきっかけは、パワハラ上司からマグロ漁船に送り込まれたからだそうです。学歴が高いわけでもなく、本も読まず、ましてセミナーになんて全く参加したことがない海の男たちと40日間一緒。海に出ればコンビニも病院もなく危険と隣り合わせ。

そのマグロ船に乗せられた経験から本の出版に至り、マグロ船流仕事術コンサルとして現在は活躍中。あなたも現実社会でいろんな経験をしよう。

【取材協力/齊藤正明】
人材コンサルタント、研修講師。株式会社ネクストスタンダード代表取締役社長。著書に、『「自己啓発」は私を啓発しない』や『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』などがある。
株式会社ネクストスタンダード

●ライター/菊乃(彼氏づくり専門家)

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