式直前にクビ!? 失業した彼との婚約破棄に慰謝料を払う義務はあるのか

【相談者:20代女性】
私には婚約中の年上の彼氏がいます。すでに結婚式場も抑え、式日が1か月後と迫っている中、彼が会社で大きな不祥事を起こしてしまいクビになってしまいました。とても大きな不祥事だったようで、次の就職先が見つかるまでに時間がかかりそうだということもあり、私は耐えられず彼に婚約破棄を申し出ました。

彼は一切聞く耳を持たず、もし破棄するのであれば慰謝料を払ってくれと言ってきます。婚約破棄をする場合、慰謝料は必ず払わなければいけないものなのでしょうか?

a 婚約を破棄する“正当な理由”があれば、慰謝料等の責任を負わないで済みます。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の篠田恵里香です。

結婚式を1か月後に控え、突然の彼の失業とは、予想しない事態で大変でしたね。今回のケースでは、“婚約の成立”は明らかでしょうから、婚約破棄ができる正当な理由があるかが問題です。婚約が成立した以上、“正当な理由”がない限り一方的な破棄は許されず、仮に破棄した場合には“婚約の不当破棄”として慰謝料などの損害賠償責任を負う可能性があります。

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婚約破棄の正当な理由って?

結論から言えば、今回のケースは、婚約を破棄する“正当な理由”があるとして、慰謝料等の責任を負わないで済む可能性が高いです。婚約破棄の“正当な理由”について明確な基準はありませんが、“単なる心変わり”や“性格が嫌になった”という程度では認められず、相当にハードルは高くなっています。「それはさすがに夫婦関係の維持が困難だよね」と言えるような事由がなければなりません。

たとえば、婚約者が浮気をした、大きな病気にかかって回復の見込みがない、性行不能であった等の事由であれば、夫婦生活に直結するものとして“正当な理由あり”と言えそうです。“大きな借金を隠していた”“職業を偽っていた”等のほか、今回のように、“急な失業で再就職のめどが立たない”というケースでも、夫婦生活維持のためには経済面も重要ですから、“生活に大きな影響を与える”=“正当な理由あり”として婚約を破棄できる可能性が高いでしょう。

不当破棄だと判断された場合は?

一方、あなたに十分な収入があって、夫婦生活維持が十分可能であるにもかかわらず、“収入が減った”ことだけを理由に婚約を破棄すると『不当破棄』になる可能性もあります。婚約破棄に至った責任があなたの方が重いと判断された場合、結納金や婚約指輪を返還する義務も生じます。

婚約の不当破棄となった場合には、精神的苦痛に対する慰謝料のほか、婚約破棄によって生じた損害として、結婚式場のキャンセル代や結婚を前提とした購入品の代金等も賠償しなければならない可能性があります。

“不誠実な態度”も婚約破棄の理由になる!?

婚約破棄の正当な理由とは“夫婦関係に大きな影響をもたらす原因があったか”という側面から判断されるべきですが、これ以外にも、“あまりに相手が不誠実”等の理由で認められる可能性もあります。今回、婚約破棄に関し相手が一切聞き耳をもたず不誠実な態度が続くということであれば、これを理由に婚約破棄をすることも視野に入るでしょう。


婚約の解消は人生にとって大きな決断ですから、まずはしっかりと話し合うことが大事ですね。場合によっては第三者にあいだに入ってもらって、婚約破棄するにしても円満解決ができるとよいでしょう。

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●ライター/篠田恵里香(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)

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