女性の敵!? 盗撮を助長するスマホの無音カメラアプリ開発は違法か

【相談者:20代女性】
夏は女性が薄着になるので盗撮被害のニュースをよく耳にします。先日、上りエスカレーターに乗っていたときに、わたしの前に立っていた男性がその前に立っている女性のスカートの下に自分の携帯の画面が来るように持っていました。違和感はあったのですがシャッター音が聞こえなかったので、気のせいだと思っていました。

しかし、上りきったところで、その男性の携帯画面にさっき撮影したであろう写真が写っているのが見えてしまいました。もうそのときには撮られた子もいなくなっていたので、一人では怖くて注意できませんでした。

最近はシャッター音を鳴らなくさせるアプリもあるので、そのアプリを使用していたのだと思います。隠し撮りに利用されることは予想できると思うのですが、そもそも、そのようなアプリを作ったり、使用したりする行為は違法ではないのでしょうか。

a 現状では、無音のカメラアプリの開発や使用自体は違法ではありません。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の正木裕美です。

スマホの普及とともに、シャッター音の鳴らないカメラアプリを悪用した隠し撮りで逮捕される人も増加しているようですが、卑劣で許せませんね。一部のアプリでは、隠し撮り専用かと疑いたくなるような巧妙な機能のものもあるようです。

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『迷惑防止条例違反』になる可能性が!?

そもそも、音のしないカメラアプリを使って公共の場で隠し撮りすると、『迷惑防止条例違反』という犯罪になります。しかし、現状ではこのようなアプリの開発や使用自体を禁止する法律はありません。また、隠し撮り目的でアプリをインストールする行為も、迷惑防止条例には犯罪の準備を処罰するための『予備罪』の規定がないため処罰ができません。

つまり、アプリの開発やインストール自体は違法でなく、また、無音のアプリでの自撮りや景色の撮影をしても違法にはなりません。一方で、隠し撮りをしたり勝手に人の写真を撮って肖像権を侵害したりすると違法になる場合もあり、あくまでユーザーの使い方によって違法かどうかの結論は分かれる、ということになります。

アプリ開発者や配信先は『ほう助罪』!?

ただ、アプリが“盗撮用ツール”として開発・配信されたものだと、隠し撮り行為を手助けすることになるので、迷惑防止条例違反の『ほう助罪』が成立する可能性はあります。昨年、小型カメラを仕込んだ靴を販売したとして逮捕された事件もありました。

とはいえ、盗撮用とうたって開発・配信することは現実的には考えにくいです。また、日本のスマホの内臓カメラはキャリアの自主規制によりシャッター音量が変えられないため、このようなアプリは大多数の人にとっては赤ちゃんやペットの寝顔、飲食店や静かな場所での撮影などに便利なツールでもありますよね。

そのため、“無音のカメラアプリ=盗撮用”とハッキリ言い切れず、必要とするユーザーも多くいる現状では、開発や配信をほう助罪とするのは難しいと思われます。

周囲の人に助けを求めることも大切です

ただし、一部の人の悪用によってこのような犯罪が今後も減らないのであれば、将来的に規制される可能性は否定できません。また、犯罪防止のために無音のカメラアプリ配信を自主規制により禁止するなど、法律によらない被害防止策もあり得ると思います。

被害防止のためには私たち女性が自己防衛することも有効ですが、もし隠し撮りを見つけたり被害に遭ったりしたときは、一人で対応するのは怖いと思いますので、すぐに周りの人に助けを求めてくださいね。

●ライター/正木裕美(アディーレ法律事務所:愛知県弁護士会所属)

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