「あちらの方から」と言われたカクテル代を請求されたら支払うべきか

【相談者:20代女性】
先日、私が行きつけのバーで飲んでいたときのことです。頼んでいないカクテルをマスターから出され、不思議な顔をすると、「あちらの方から……」と言われ、他の席のおじさんからカクテルをプレゼントされました。ドラマなどでよく見ますが、「実際にあるんだ」と感動しながらも頂いた方に会釈をし、美味しく飲みました。おそらく、おじさんは私と一緒に飲みたかったのだと思いますが、面倒くさいと思い、その後特に話したりしませんでした。

お会計の際には、既にその人はいなかったのですが、なぜかプレゼントしてもらったはずのカクテル代が、私の代金に加算されていました。お店の人に尋ねると、先に出て行ったおじさんが、「申し訳ないので自分で払うと言われたから、向こうに加算してくれ」と言ったそうです。確かに飲んだのは私ですが、そのカクテル代も払わないと、私は無銭飲食扱いになってしまうのでしょうか。納得いきません!

a 法的には、プレゼントされたカクテル代を支払う必要はありません。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の島田さくらです。

「あちらの方から……」ドラマみたいな展開で、一度は言われてみたい言葉ではありますよね。ただ、プレゼントしてもらったはずなのにカクテル代を請求されるのは、納得いかないですよね。では、この場合、誰がカクテル代を払わなければならないのでしょうか。

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カクテル代の支払いはおじさんと店との問題

カクテルを頼んだ場合、注文をした人とお店の間には、『売買契約』が成立します。その契約が成立すると、お店としては頼まれたカクテルを提供しなければなりませんし、注文者はバーにカクテルの料金を払わなければなりません。

また、契約は、その契約を結んだ人同士の約束なので、他人に影響を及ぼしません。今回は、おじさんがカクテルを注文していますので、おじさんとバーとの間に売買契約が成立し、おじさんがカクテル代を払わなければいけないことになります。売買の代金であるカクテル代については、ご相談者さんには関係ありませんし、バーはご相談者さんにカクテル代を請求する権利を有していません。

ご相談者さんとおじさんとの間には贈与契約が

おじさんが自分のカクテルをご相談者さんにプレゼントしていますので、おじさんとご相談者さんの間に『贈与契約』が成立します。単純な贈与契約において、贈与を受ける側(プレゼントをもらう側)は何の負担も負いませんので、やはりカクテル代を支払う必要はありません。カクテル代は、バーがおじさんから回収すべきということになります。

店側が証拠を持って証明しなければいけない!

ただ、今回おじさんが「申し訳ないので自分で払うと言われたから、向こうに加算してくれ」といったうそをついて逃げていますので、「やっぱり自分が払わなければならないのか」と心配になってしまうかもしれません。

しかし、裁判においては、請求する側が証拠をもって証明しなければならないというルールがありますので、バー側が、“ご相談者さんがおじさんに「申し訳ないので自分で払う」と言った”ということを証明しなければなりません。バーの従業員が、「おじさんからそう言われたんだ」というだけでは足りないということです。ですので、たとえ、バーがご相談者さんにカクテル代を支払えという裁判を起こしたとしても、バーの方が負けてしまうでしょう。

トラブルに巻き込まれないよう気をつけましょう

行きつけのバーでもめるなんて、嫌ですよね。法的には、ご相談者さんがカクテル代を支払う必要はありません。とはいえ、しゃべりたそうにしているおじさんの気配を感じて飲んだのであれば、少しだけでもお話をしてあげてもいいかもしれませんね。そうすれば、面倒なトラブルにも巻き込まれることはないと思いますよ。

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●ライター/島田さくら(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)

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