このままじゃダメ! 婚姻届を出さない“内縁の夫婦”に生じるデメリット

【相談者:40代女性】
私と夫は婚姻届を出していない夫婦です。7年前に知り合い、同棲しました。「結婚して」と言い続けたところ、昨年、サプライズで友人を集め、披露パーティーのようなことをしてもらいました。それでもいまだに婚姻届を出すのを面倒がり、「このままでもいいじゃないか」と言います。私の身内は弟だけで、うるさく言う親戚もいないのですが、年齢を考えると子どもも欲しいし悩んでいます。

a 内縁関係には不利益があります! 窮地に陥ったときこそ婚姻届が必要。

こんにちは。女優&ライターのmamiです。ご相談ありがとうございます。

率直に言って、御主人には何か届出の出来ない理由があるとしか思えないですね。まず1番に考えられるのが、重婚です。結婚していて、離婚が出来ない状態にある……そういったことを御主人に確認されたことがあるでしょうか?

本当のことを答えてくれないのかもしれないし、相談者さんも、問い詰めて現実を知るのが恐いのかもしれません。でも、ご相談くださったのは、「このままではいけない」と思われたからでしょう? その通り。“このまま”ではいけません。

法律の観点を交えてお話ししましょう。

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内縁の夫婦における不利益

パートナー(御主人)は、「お披露目もしたからこれでいいだろう?」と言うつもりかもしれないですが、結婚式や披露宴を盛大に行っても、婚姻届を出さなければ法律上の結婚(婚姻)とは認められません。周囲に発表し、夫婦としての生活を長年続けたとしても、「内縁」と呼ばれ、法律上の結婚とは区別されてしまいます。それにより様々な不利益が考えられます。

たとえば、夫が死亡したときの妻の相続分は2分の1以上と定められていますが、内縁の妻では相続が全くできません。また、相談者さんが欲しがっているお子さんのことでも不利益があると考えた方がいいでしょう。

近年、法律の改正で、『非嫡出子(父と母との間に法律上の婚姻関係がない子)』も『嫡出子』と同等に遺産相続ができることになりました。けれど、それには『認知』という法律上の手続きが必要です。内縁の夫婦の場合、子どもは母親の戸籍に入りますから、認知手続きをしなければ父子と認められないのです。

子どもは成長します。遺産のことだけでなく、学校など日々の生活の中で、“他の家とは違う”自分と父との関係を、どう感じ、消化していくでしょうか。

内縁の夫婦における限界

内縁の妻でも、実質的な夫婦生活を長年送った場合、法律で一定の保護が認められる場合があります。

判例の中には、一方的に内縁関係を破棄した相手に対して損害賠償請求が認められたケース、轢き逃げに対する政府による損害賠償保障事業で、相続人(妹)より内縁の妻に対する賠償が優先されたケースもありました(最高裁平成5年判決)。

昨今では、法律で内縁の妻を法律上の妻と同様に取り扱うことも増えてきてはいます。労働災害で死亡した場合に、内縁配偶者が遺族補償年金の受給権者となることがある『労働者災害補償保険法』、厚生年金保険の遺族年金を内縁の妻(夫)でも受けとることができる『厚生年金保険法』などがそれです。

けれど、こういった判例でも、あくまで“正式の夫婦に準ずる扱い”ということなのです。やはり法律上の配偶者とは違い、扱いにも限界があると言わざるを得ません。


いかがでしょう?

相談者さんが御主人と共に生きていきたいのであれば、私はやはり婚姻届を出すべきだと思います。身も蓋もないことを言うようですが、夫婦の愛情とて永遠ではありません。ケンカすることもあれば、冷める瞬間だって誰にでもあるものです。人生という長い道のりを考えれば、病気や死からも目を逸らすことはできません。

婚姻届だ、法律だ、といったことは、ハッピーなときは無用でも、窮地に陥ったときこそ必要となり、支えてくれるお守りのようなものではないでしょうか。

勇気を出して御主人と話し合ってみてください。結婚はゴールではなくスタートだと言います。「私たちまだスタートもしてないよ!」そう訴えてみてはどうでしょう?

【参考文献】
・『「結婚・離婚Q&A」夫婦をめぐる法律問題を解決するための11章』東京南部法律事務所・編

●ライター/mami(女優&ライター)

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