脅迫罪になる? 恋人との別れ際のセリフ「死ぬ」「殺す」の法的な問題

【相談者:20代女性】
よくドラマで自分のもとを去っていく恋人を繋ぎ止めるためなのか、自殺をはかるシーンを見ますが、自殺させるほど追い込んだ男性が悪いのか、男性を脅迫するような行為をした女性が悪いのか、お互い様なのか……実際、法的にはどうなんですか。

また、実際自殺はしなくても、「別れるなら死んでやる!」とか「あなたを手放すくらいならあなたを殺して私も死ぬ!」などと言うのも法律上どうなんでしょうか。

a 法的には微妙なニュアンスの違いで結論が異なります。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の篠田恵里香です。

恋愛感情のもつれで、「死ぬ」「殺す」の争いとは、穏やかではないですね。法的には微妙なニュアンスの違いで結論が異なってきます。

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恋人同士の恨みはお互いさま

“別れる際に自殺を図る”ことについては、法的にお互い様、となります。日本の法律では、「結婚」「婚約」「内縁」の関係でない限り、男女関係は“自由恋愛”が原則です。

死ぬほど愛していたのに、「浮気をされた」「別れを告げられた」としても、お互いに相手を責められないのです。よって、“自分の命を絶つ”ことも法的に犯罪ではないので、女性が自殺をしても犯罪は成立しません。

相手に「死ねば」は犯罪になる可能性も!?

しかし、“自殺を助ける、自殺をそそのかす”など、他人が自殺に加担する行為は、『自殺ほう助罪』『自殺教唆罪』といった犯罪が成立します。仮に、目の前で自殺をしようとしている相手に対し、「死ねば」と発言をすると犯罪になる可能性が出てきます。

「殺す」「死ぬ」は犯罪になる!?

「別れるなら死んでやる!」の発言は脅しに聞こえますが、『脅迫罪』などの犯罪は成立しないのが原則です。脅迫罪は、『他人やその親族の生命、身体、自由、名誉、財産に対して危害を加える旨を告知した場合』に成立する犯罪ですが、「死ぬ」というのは自分の生命への危害なので、脅迫罪に当たりません。

ただ、「私が死んだらあなたは殺人者扱いね」とか、「もうこの会社にはいられないわね」などの発言が加われば、名誉・自由に対する危害の告知として『脅迫罪』が成立する可能性が出てきます。

「あなたを手放すくらいならあなたを殺す」という発言は、完全にNGです。相手の生命に対して危害を加える告知をしていますので、『脅迫罪』が成立します。「だから交際を続けてよ」などと発言した場合には、『脅迫を用いて義務なきことを強いる行為』として『強要罪』も成立しえます。

「別れるなら死ぬ」などと、しつこくメールを送信しつづけたりすると『ストーカー規制法違反』となる可能性もあります。

このように、恋愛感情のもつれは犯罪に至る可能性を秘めていますので、別れる際には、泥沼にならないように相手の気持ちにも配慮することが大事ですね。


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●ライター/篠田恵里香(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)

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