不妊症を隠して結婚すると慰謝料を請求されるか

【相談者:30代女性】
私は不妊症です。結婚する前にその事実は分かっていたのですが、彼に嫌われるのが怖くて、それを隠して結婚しました。結婚して1年、覚悟を決めて不妊症のことを告白したところ、「結婚前から子どもがほしいと伝えていたのに、なぜ結婚前にそれを言わなかったのか」と責められました。

それをきっかけに夫婦の関係は悪くなり、離婚することになったのですが、夫がなんと不妊症を黙っていたことが詐欺だと慰謝料請求してきたのです。

確かに不妊症を隠して結婚したことは悪かったですが、それに対する慰謝料は払わなければいけないのですか?

a 慰謝料を支払う責任を負わねばならないでしょう。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の篠田恵里香です。

『不妊症』の事実を告げるのは勇気がいることですし、お気持ちはとてもよくわかります。しかし、“結婚生活に重大な影響を及ぼす”以上、これを告げなかったことは法的にも問題視されてしまいそうです。

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不妊症を隠す行為は詐欺になる?

今回、『不妊症』を隠していた行為が『詐欺』にあたるか、という点については、結論は『詐欺』にはあたりません。

法的に『詐欺』と判断されるのは、“相手を騙して金銭を巻き上げる”行為や、『婚姻取消事由』に該当するような“騙し”がこれにあたりますが、基本的には、不妊症を隠していた事情のみをもって婚姻取消事由にあたるとは考えられません。

したがって、今回の行為が詐欺と評価される可能性は極めて低いでしょう。

子どもを授かれるかどうかは重大な要素

ただし、“不妊症を隠していたことが主な原因で離婚に至ってしまった”点については、やはりあなたに落ち度があると評価され、慰謝料を支払う責任を負わねばならないでしょう。

彼にとっては、「子どもがほしい」と婚前からあなたに伝えていたのであり、法律上も、“婚姻生活にとって子どもを授かれるか否かは重大な要素である”と考えられているので、これを告知しなかったあなたの行為は『不法行為(民法709条)』に該当してしまいます。

判例上も、“婚姻時に性行不能を告知せずに結婚した事例”について、“性行不能は子どもをもうけることができないという重大な結果に直結する”ことを理由に、これを告知しないことは違法であると判断し、妻からの慰謝料請求を認めた事例があります。

しっかり謝罪し、前向きに未来へ進みましょう

たしかに、「言いづらかった」側面は理解できますが、彼にとって“子どもができない”ことを結婚後に告げられたことは相当にショックだったことが想像できます。そのため、その点についてはしっかり謝罪をし、場合によっては、一定の慰謝料を払うという解決になるかもしれませんね。

ただ、不妊症の治療も年々進化しているので、治療などによる今後の希望も捨てずに、新たなパートナーと婚姻するときは、前向きに話し合いができるとよいですね。

●ライター/篠田恵里香(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)

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