婚約者が浮気相手を妊娠させた上「結婚する」と言い出した場合の対処法

【相談者:40代女性】
約10年付き合った彼がいます。彼は障害があり、「収入がない男に嫁にはせんよ」の言葉で、私の経営している会社に入社して給料を得ていました。「いつかは一緒に暮らそうね」と約束もし、その証に指輪も買いました。親も公認で、「いつ一緒になるんだろう」という段階でした。当然、会社の社員にも公認です。

ところが、同じ社内の女性と浮気をし、数回の出来心でしたが相手は妊娠しました。当初は、「相手と別れるから、中絶させるから、なにもなかったことにするから、だから、相手(彼の浮気相手)には何も言うな」と口止めされました。しかし、話は困難でなかなか中絶もせず、それでも彼氏は私との別れは告げず、相手との状況も何も話してくれませんでした。浮気相手の女性も、「シングルマザーでいいから産みたい」と話していました。しかし、とうとう産まれてしまい、今更になって「子どもが産まれたから、一緒になろうかと思う」と彼が言ってきました。

実は、私は彼の子を中絶しています。「生活できないから」という理由です。しかし、今回も状況は変わっておらず、異なるのは、私の会社で働いているから収入が得られているということ。私も我慢ならず、浮気相手の親に私と彼の関係を文面で話しました。しかし、何の返答もないです。法律上どうにもできないのはわかってますが、社長の私の彼と知って、産んだ相手も許せないし、浮気したのに正当化している彼氏も許せないんです。慰謝料が取れないのもわかってます。

では、手切れ金は? 私が中絶してから、精神的苦痛で精神科にも受診してます。あの2人をこのまま一緒にはしたくないんです。一緒にさせない方法はないですか? 彼は、いまだに私の会社で働いています。ちゃんと、給料も請求してきます。


ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の島田さくらです。

苦しい状況になってしまいましたね。ご体調は大丈夫でしょうか?

早速ご相談の内容にお答えさせていただきます。まずは、慰謝料について。

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(1)婚約破棄

「慰謝料が取れないのもわかっています」とのことですが、相手の浮気により婚約を破棄せざるをえなくなった場合には、慰謝料請求をすることが可能です。あなたのケースの場合、そもそも彼と婚約をしていたといえるかどうかが問題となります。

婚約自体はふたりきりの口約束だけでも成立しますが、相手が「そんなこと言ってない」と反論したりもするため、裁判等で慰謝料を請求する場合には、婚約の事実を証明する客観的証拠が必要となります。

ご相談内容からは詳しくわかりませんが、結婚へ向けた両家への挨拶があり、婚約指輪を購入していたというのであれば、婚約が成立していたという根拠になるでしょう。

(2)中絶と精神科受診

「生活ができないから」という彼の話にあなたも納得して中絶をしたのであれば、中絶についての慰謝料を請求するのは難しいと思います。ただ、中絶費用や精神科の治療費をあなただけが負担しているのであれば、彼に半額を支払ってもらうよう請求することは考えられます。

(3)手切れ金

手切れ金とは、「このお金を払う代わりに、今後一切関わり合いにならないでね」という意味で払うお金のことです。

彼の方から任意に支払うと言ってくれているのであれば、もらって構いませんし、そのような契約も有効です。しかし、日本の法律には「手切れ金」の定めはないので、相手に手切れ金を支払えと強制することはできません。

2人を一緒にさせない方法

ご自身でも本当はお気づきになっているのでしょうが、2人を一緒にさせない方法というのはありません。成人した2人が結婚するというのであれば、誰の許可もいりませんし、誰も止めることはできません。

あなたとの関係では、「収入がない」「生活ができない」等を理由に結婚を先延ばしにしたり、中絶をさせたりしていますが、浮気相手との関係ではすでに子供が産まれてきているので、たとえあなたが彼を解雇して収入がなくなったとしても、彼は浮気相手と結婚するでしょうね。

もちろん、今回の件は彼の雇用とは無関係なので、彼を解雇することはできません。彼がきちんと働いているので、給料は支払わなければなりませんし、勝手に「慰謝料と相殺だ!」というのも許されません。

方法としては、彼にあなたの気持ちを伝えて、自分から会社を辞めてもらい、彼と浮気相手のことは忘れるしかないでしょう。

「中絶」という言葉を簡単に使って、すべて自分の都合の良いように解決しようとする彼の態度は、あなたにとっても、中絶した赤ちゃんにとっても、浮気相手にとっても、浮気相手の子どもにとっても不誠実なものでしかありません。そんな男に人生を丸ごと捧げることにならなくて良かったと思える日が早く来ますように。

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●ライター/島田さくら(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)

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