都会と田舎で違うセクシャル・マイノリティの環境

【相談者:20代男性】
僕の周りにもセクシャル・マイノリティの友達がいるんですが、「地方だと出会いも少ないし、周りへの理解を得るのが大変だよ」という話をよく聞かされます。都心と比べて、地方に住んでいる当事者の状況ってどうなんでしょうか。教えてください。

qa_a 地方在住のセクシャル・マイノリティの友人にインタビューしてみました。

ライターの雪見かおるです。ご質問ありがとうございます。

都心はそれだけ人がいるので、セクシャル・マイノリティ(※1)の方が住む場所としても、なにかと都合がいいかもしれませんね。一方で、地方は行き交う場所が限られており、当事者にすれば肩身の狭いイメージがある、という方も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は、その状況も含めて「自身のセクシャリティについて思うこと」を、地方に住む私の友人にインタビューしてみました。お話を伺ったのは、北海道在住の食品製造業で働く25歳のパンセクシャル、現在ホルモン治療中のMtF(※2)、かえでさんです。

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— セクシャル・マイノリティにとって、地方という場所はどうですか? 自身のセクシャリティ(性自認、性的指向)も含めて、思うことを教えてください。

『私の地元では、セクシャル・マイノリティに対する理解が進んでる場所とはいえないですね……。同性愛や両性愛、性別移行者(※3)に対して偏見な考えを持つ人も少なくありません。異性と結婚して子どもを作って育てて、家族を養っていくことが一人前、みたいな考えの人が多いです。そのため、「自分は性別移行をしている」とか、「自分は男性も女性も好きだ」と言ったら、「お前の言っていることは理解できないし、おかしい」と言われることもあって、辛いですよ』

なるほど……。たしかに田舎は閉鎖的というだけあって、まだまだ理解が行き届いていない部分も多いかもしれませんね。

— では、出会いの面ではどうですか? 恋愛のことについて教えてください。

『地元だと自分のセクシャリティを理解してくれる人が見つからないので、出会いはネットをフル活用して見つけています。恋愛相手が地元外になるので自然と遠距離になるのは辛いですけどね。恋愛対象の性別にこだわりがあるわけではないので、その人の人柄や性格が好きになったら付き合い始めることが多いです』

— 最後に今後、社会に望むことがあれば、意見を聞かせてください。

『残念ながら、同性愛者であったり、性同一性障害あるいは性別移行者であることを理由に差別やイジメを受け苦しんだり、場合によっては自殺まで考える人がいることを見聞きします。そのようなイジメや差別が一日も早くなくなるよう、教育現場や職場だけではなく、自治体や国が積極的にイジメや差別防止策を打ち出してほしいですね』

セクシャル・マイノリティの課題は、学校教育が鍵を握っている?

少しヘビーな話題ですが、過去にこんな調査結果があります。

大阪の繁華街での、若者男女2095人を対象にした街頭調査によれば、男性の異性愛者ではない人の自殺未遂率は異性愛者の約6倍。つまり、性的指向が自殺未遂の要因のひとつであることを示唆している、というデータ結果です。

特に年齢が若いほど、自分のセクシャリティについて悩むもの。あらかじめ思春期のころに学校できちんと教育がされていれば、当事者・当事者以外の方も知識が得られ、必要以上に悩むことも少なくなるかもしれません。少しでもお互いが過ごしやすい環境となるように、今後の教育現場ほか地方自治体、国の対応に期待したいですね。

※1:一般的にゲイ、レズビアン、バイセクシャル、性同一性障害のことを指す。
※2:体は男性、性自認は女性の意味。自分の体、性別に違和感がある人のこと。
※3:広義にトランスジェンダー、狭義に性同一性障害がある。

【参考リンク】
わが国における都会の若者の自殺未遂経験割合とその関連要因に関する研究

●ライター/雪見かおる(セクシャリティ専門家)

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