弁護士が教える“キャバクラ”と“ガールズバー”の違い

【相談者:20代女性】
大学時代の奨学金をなんとかまとめて返済したくて、副業としてお給料のいい仕事を始めようと思っています。もちろん婚約している彼からは反対されつつ、どうしてもお金を稼ぎたい思いが強いため、申し訳ないと思いながら仕事を探しています

色々仕事を探していると、キャバクラやスナック、パブ、ガールズバーなど、女性が男性に接客するお仕事がたくさんありますが、この違いってなんでしょうか。何か法律で定義されているのですか?


ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所の弁護士・刈谷龍太です。

奨学金の返済は大変ですよね。高校、大学、大学院を経て社会に出たときには、合計返済額が1000万円を超えている……なんて話もよく耳にします。また、早く完済したい思いから、時給のいい副業としてキャバクラやガールズバーなどの、いわゆる夜のお仕事をして稼ごうという考えもわかります。

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さて、ご質問内容ですが、実は法律ではキャバクラはこう、ガールズバーはこう、といったように定義がされているわけではありません。キャバクラ・スナック・パブ・ガールズバーは、それぞれ法律用語ではなく、一般的に用いられている用語に過ぎないのです。

法律ではどのように規定されているのか

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)という法律では、キャバクラを始めとするいわゆる女の子が「接待」をしてくれる飲み屋は、「風俗営業」に分類されます。

「風俗営業」と聞くといかがわしいイメージを持つかもしれませんが、風営法では、いかがわしいお店は、「性風俗関連特殊営業」に分類されているので、決していかがわしいというわけではありません。実は、ダンス教室も「風俗営業」に分類されているんです。

さて、少し話がそれましたが、一般的にガールズバーは「風俗営業」には該当せず、キャバクラは「風俗営業」に該当すると言われています。この違いは、「接待」の有無にあります。「接待」とは風営法3条に規定があって、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいう」とされています。

ここでいう「歓楽的雰囲気」って?

非常に抽象的でわかりづらい基準ですが、公安委員会の解釈基準には、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこととは、『営業者、従業者等との会話やサービス等慰安や歓楽を期待して来店する客に対して、その気持ちに応えるため営業者側の積極的な行為として相手を特定して3の各号に掲げるような興趣を添える会話やサービス等を行うことをいう』と記載されております。

この「3の各号」には何が書いてあるのかというと、「談笑・お酌等、踊り等、歌唱等、遊戯等、その他」という各行為が羅列してあり、そのそれぞれについて境界が記載されています。

たとえば、談笑・お酌等については、「カウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為」は、接待にあたらないとされています。これにより、ガールズバーは接待をしていないとみられるようです。

なお、「その他」に分類される行為については、解釈指針にこのように表現されています。

『客と身体を密着させたり、手を握る等客の身体に接触する行為は、接待に当たる。ただし、社交儀礼上の握手、酔客の介抱のため必要な限度で接触する等の行為は、接待に当たらない。また、客の口許まで飲食物を差出し、客に飲食させる行為も接待に当たる。これに対して、単に飲食物を運搬し、又は食器を片付ける行為、客の荷物、コート等を預かる行為等は、接待に当たらない』

このように、キャバクラ・スナック・パブ・ガールズバーについては、そこにおいてなされる行為が「接待」にあたるかどうか、ということが「風俗営業」にあたるかどうかの決め手となるのであり、名称がキャバクラだから「風俗営業」、ガールズバーだから「風俗営業」でないという判断ではないのです。


少しは参考になりましたか?

どのお店で働くにしろ、大切なのは名称ではなく業務の内容です。やりたくないことをやらされていた……なんてことにならないように、事前の情報収集はきちんとしたいものですね。

それより、婚約している大切な彼が反対しているのであれば、夜のお仕事以外を検討されてみては?

●ライター/刈谷龍太(弁護士:東京弁護士会所属)

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