“愛される妻”でいるための技術と真理

【相談者:30代女性】
結婚10年になります。夫のことは大切に思っていますが、「愛し合っている」という実感はありません。ところが、長年妻子ある男性と不倫関係にある友人は、彼から愛されていることを十分に感じているし、本人も心から彼を愛しているそうです。他にも似たような状況の友人がいますが、本当に愛情にあふれた様子です。夫の愚痴ばかりこぼしているわたしたち既婚女性よりも、幸せそうにみえます。いつも不思議に思ってしまいます。

結婚して長い期間が過ぎていても夫に愛されるためのヒントがあれば、アドバイスをいただきたいです。

qa_a家族のために毎日献立を考えて食事をつくる。家族のために毎日働く。これが愛じゃなかったらなにが愛なの?

こんにちは。カルチャー専門家・みわあやのです。

結婚すると、どうしても権利意識がうまれるものなのかも。妻なのだから、愛してもらう権利があるはず。夫には、家族を愛し、自分たちのために働く義務がある。

一方、不倫関係は保証がありません。扶養してもらえるわけでもないですし、彼には自分以外に守るべきものがあります。それでも愛するということは、本人たちにとっては、「無償の愛」に近い感覚なのではないかと思います。

家族のために、毎日仕事に向かう夫。結婚しているのだからあたりまえでしょ、と思うかもしれません。でも、それが愛じゃなくてなんなのさ! と個人的には思っています。

「愛」も「幸せ」も、生活のなかにたくさん転がっていて、安心して暮らしているうちは気づきにくいものなのかもしれませんね。

ドイツの社会心理学、哲学の研究者・エーリッヒ・フロムはいいました。「愛は技術である」と。愛に技術があるならば、ぜひ習得してみたいものですね。

今回は、エーリッヒ・フロム著『愛するということ』から、愛し、愛されるためのテクニックを学んでいきましょう。

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ひとを愛して幸せになるためには、技術がいる!

愛はひとつの快感のようなもので、運さえよければ得られるものだと思いますか? それとも、愛は技術で、知識と努力が必要なものだと思いますか?

フロムはこのように問いかけます。多くのひとが愛し愛されるには、「運」が必要と考えているかもしれませんね。「相手次第」という言い方もあります。

でも、心のなかにあるだけの愛は、相手にも伝わらず、幸せを生むことはほとんどありません。愛には行為が必要で、行為には技術が必要だとフロムは考えました。

『誰もが愛に飢えている。(中略)ところが、愛について学ばなければならないことがあるのだと考えているひとは、ほとんどいない』

みんな、愛を欲しがっています。でも、愛について学ぼうとするひとはあまりいません。多くのひとは、愛について、「愛されること」にとらわれすぎて、「ひとを愛する」という能力のことを考えません。愛されるためには、ひとを愛する能力を育てていくことが大切なのかもしれません。

『愛は能動的な活動であり、受動的な感情ではない。そのなかに“落ちる”ものではく、“みずから踏みこむ”ものである。愛の能動的な性格を、わかりやすい言い方で表現すれば、愛は何よりも与えることであり、もらうことではない、ということができよう』

やっぱり、自分から愛するという行動をおこさないことには、何もはじまらないものなんですね。

『一人でいられるようになることは、愛することができるようになるためのひとつの必須条件である。もし、自分の足で立てないという理由で、誰か他人にしがみつくとしたら、その相手は命の恩人にはなりうるかもしれないが、二人の関係は愛の関係ではない。逆説的ではあるが、一人でいられる能力こそ、愛する能力の前提条件なのだ』

ひとを愛するためには、自分の心がしっかりと自立している必要があるんですね。揺るぎない自分をもっていれば、余裕がうまれます。自分の心に余裕がなければ、本当にひとを愛することができないものですよね。


いかがでしたでしょうか? ほんのちょっとでも愛の輪郭がみえてきましたか?

ここでご紹介できたのは、ほーんの一部だけ。「愛するということ」のなかには、「愛」の本質を分析した、目からうろこのヒントがたくさん詰まっています。

「愛ってなんだろう……」と迷った時には、ぜひ読んでいただきたい名著です。

【参考文献】
・『愛するということ』 エーリッヒ・フロム・著、鈴木晶・訳 / 紀伊国屋書店

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●ライター/みわあやの(カルチャー専門家)

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