夢に向かって努力する多忙な彼との付き合い方

【相談者:10代女性】
彼氏が国家試験を控えています。夢のために頑張る彼の邪魔をしてはいけないのはわかっているのですが、さみしくなってメールをしたり、家まで会いに行ったりしてしまいます。彼は何もいわず受け止めてくれますが、優しいひとなので、無理をしているのではないかって……。気を使わせて、彼の勉強の邪魔をしてしまうくらいなら、別れてあげたほうがいいのかもしれないと悩んでいます。

qa_a あなただけで結論をいそがないでくださいね。現状維持ではダメですか?

こんにちは。カルチャー専門家のみわあやのです。

彼を気遣って、あなたなりに我慢しているんですよね。相談者さんは、とっても健気で優しい女性だと思います。

でも、ひとりで考えて「身を引く」ようなことは、しなくても大丈夫でしょう。心配なら、その気持ちをしっかり、彼に伝えてみるのがいいかもしれませんね。一度、ふたりでよく話しあってみては?

“劇作家・倉田百三”の戯曲『出家とその弟子』には、修行中の若い僧侶と恋に落ちる遊女の物語が出てきます。

僧侶は、仏に仕える身。まさに「禁断の恋」です。自分の立場と、燃えるような恋心の狭間で悩み苦しんでいた彼に、師僧である親鸞が、かけた一言とは……?

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恋と仏門にゆれる若い僧侶に、師僧がかけた「ぐっとくるセリフ」

若い僧侶「唯円」と、遊女「かえで」は、お互いを愛し、強い心で結ばれていました。今でいうところのプラトニックな関係ですが、それでも仏門では、許されないこと。

ところが、唯円の秘密の恋は兄弟子たちに見つかってしまい、恋をとるのか、仏をとるのかと責められてしまいます。

かえでのことで頭がいっぱいの唯円は、他の人のことを考える余裕もないほど。それを打ち明けられた、師僧「親鸞」は、穏やかにこう言いました。


「あなたに会いたいと恋人にいわれて、自分も同じようにすごく会いたかったとするよね? でも、その時自分の大事な友だちが病気で、看病してあげなくてはいけない状況だったらどうする? 友だちを放っておいて、恋人に会いに行っちゃうのが、普通の恋。でも、君は友だちのために我慢をする。恋人も、自分はいいから、友だちを看病してあげてね、という。この犠牲によって二人の恋は尊いものになるんだよね。あとでさみしくなって泣いちゃったとしても、恋人のために祈るのが、聖なる恋。会えなかったことで、二人の思いは強くなり、たしかなものになるんだよ。薄っぺらな恋じゃなくてね。それが祝福ということなんだよ」(意訳)


さすが、偉いお坊さん。唯円のことを怒ることもなく、優しく諭しました。今は少しさみしくても、それが、二人の気持ちをぐっと近づけてくれる。お互いを思いやることの大切さが心に沁みるセリフですね。

『出家とその弟子』は、浄土真宗をつくった親鸞と、その弟子たちの関わりを描いた物語。大正時代に発表され、様々な国の言葉に翻訳された不朽の名作です。

テーマが仏教なので、宗教色が強いのかな、と思うかもしれませんが、この物語で描かれているのは、「どう生きるべきなのか」「恋ってなんだろう」といった、人間の普遍的な“迷い”。

現代を生きる私たちにも、共感し、考えさせられる魅力的な作品です。恋に、人生に悩んだら、思い出したい言葉がたくさんつづられているんですよ。

興味があれば、手にしてみてはいかがでしょうか。

【引用・参考文献】
・『出家とその弟子』倉田百三・著 / 岩波文庫

●ライター/みわあやの(カルチャー専門家)

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