スティーブ・ジョブズと禅に学ぶ生き方の極意

【相談者:20代女性】
付き合って2年の彼氏がいますが、その彼がいわゆる“意識高い系”です。自己啓発系の本ばかり読みあさり、休日はセミナーに出かけ、彼のSNSは超ポジティブな自分語りでいっぱい。たまに会っても、「いかにまわりの人間のレベルが低いか」みたいな話ばかりです

出会った頃はそんな人ではなかった気がしますが、就職してすぐ、将来的に独立するとか言い出し、それからずっとこんな調子。正直、ビッグマウスに実績が追いついていない感じで、こっちまで恥ずかしくてたまりません。でも、私の苦言には一切耳も貸さない状態です。それさえなければ、素直で真面目な人なのですが……。どうすれば、「自分磨きモンスター」な彼の目を覚まして、地に足の着いた付き合いができるでしょうか?

qa_a スティーブ・ジョブズも夢中になった「禅」の世界を教えてみては?

こんにちは。カルチャー専門家の、みわあやのです。

「意識が高い」ことは、すばらしいことだと思います。でも、それが高じて他人を低く見てバカにするとか、行動がともなっていないために、まわりに「イタイ」と思われちゃう。つまり、自信の無さの裏返しから、虚勢を張っているのが見え見えとなると、近くにいるものとしては心配になってしまいますよね。

でも、彼は“あなたの彼”かもしれないけれど、“あなたの分身”ではないのですから、あなたが恥じる必要はありませんよ。

今の自分を変えて、よりよい自分になろうと試行錯誤している彼を、頭から否定してしまうのはどうでしょう。あなたが不愉快に思う気持ちはちょっと分かりますが(笑)、ここはひとつ、彼の成長を見守ってあげるのはいかがでしょう。

彼を諭したいなら、オススメなのが『禅のことば』。意識高い系男子に大人気の、スティーブ・ジョブズ氏も傾倒していた『禅』ということで、彼も素直に受け入れてくれるかもしれません。

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ジョブズは言った。「旅、そのものが報酬だ!」

Apple社の創業者、スティーブ・ジョブズ氏が若いうちから、仏教の『禅』を熱心に学んでいたというのは、有名な話です。ジョブズ氏が高校時代に出会った『禅』は、その後の彼の生き方に多大な影響を与えたそう。

ジョブズ氏の名言のひとつに、「Journey is the reward」ということばがあります。これは、「結果が目的なのではなく、旅(道のり)こそが、報酬である」という意味。この考えは、禅宗のひとつである曹洞宗の開祖、道元禅師のことばからきているようです。

「仏道に入りては、仏法のために諸事を行じて、代はりに所得あらんと思ふべからず。皆無所得なれとのみ勧むるなり」(正法眼蔵随聞記より)

禅の修行そのものが「悟り」なのだから、結果(報酬)を求めることなく、修行の行程そのものを大切にしましょう。禅の考え方は、ジョブズ氏のビジネススタイルにも深く関わっていたんですね。

努力や善行は言いふらさない。すべては自分のためにやっているのだから。

「無功徳(むくどく)」

「無功徳(むくどく)」という禅語があります。禅僧、虚堂智愚による語録『虚堂録』に記されていることばです。

功徳というのは、「努力や善行に対する報い、見返り」。それが「無」なのですから、「見返りはない」という意味です。

自分を高めるために努力をしたり、人の役に立つ良いおこないをしていたとしても、それを他人にひけらかしたり、見返りを求めていると、その行為のすばらしさは色あせてしまいます。

すべての行動に、自分の望んだ評価が与えられるわけではありません。ただ無心に、自分の信じた道を、慎み深く進んでいける人間になりたいものです。


いかがでしたでしょうか。「意識の高い」彼ならば、「無功徳」の意味を深く理解し、無心の努力で自分の道を切り開いていけるかもしれません。そんな彼を、あなたも無心にサポートしてあげてはいかがでしょうか。 

【参考文献】
・『スティーブ・ジョブズ名語録』桑原晃弥・著 / PHP文庫
・『禅と林檎 スティーブ・ジョブズという生き方』石井清純、角田泰隆・著 / 宮帯出版社

●ライター/みわあやの(カルチャー専門家)

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